2015年6月3日「朝日新聞」に掲載された記事から。
東京・銀座のママと客の関係は、「不倫」ではなく「枕営業」である。
東京地裁が出した判決が波紋を呼んでいる。
この記事の衝撃は小さくないです。
「既婚者との肉体関係=不倫」
これまではこれが、普通の感覚でした。
しかし、この判決によると、肉体関係を持つことが営業行為の場合、不倫とはいえないことになります。
これでは銀座のママにかぎらず、他の業種でも「恋愛ではありません、枕営業です!」と言い切ってしまえば、不倫でないことになります。
「銀座ママの枕営業」裁判とは?
銀座でクラブを経営する女性と、男性客の社長は7年間にわたって繰り返し肉体関係をもったと、男性の妻から慰謝料400万円を請求された裁判。
東京地裁が下した判断は、「肉体関係は営業行為」である。
そして「クラブで客が支払う飲食代には枕営業の対価が間接的に含まれる」として、妻が起こした不倫による慰謝料請求を退けた。
対価を得て大人の関係をもつのと同様に、ママは商売として応じたに過ぎない。
だから、結婚生活の平和は害しておらず、妻が不快に感じても不法行為にはならない。枕営業をする者が少なからずいることは「公知の事実」で、客が払う飲食代には枕営業の対価が間接的に含まれる。
クラブで飲むお酒は「高いな~」と思っていましたが、そんな料金が間接的に含まれていたとは驚きです。(笑)
浮気相手は「水商売」2~3割
「まあ、そんなもんかな?」と思ったことに、浮気相手が水商売であるのは全体の2~3割であるとしています。
水商売の女性が浮気相手というケースは全体の2~3割をしめる。
配偶者の浮気の証拠を押さえて慰謝料請求につなげたいと調査依頼する人が多いが、「浮気相手が水商売だと慰謝料が取れないとなれば、依頼を見送る人もいるだろう。」
大手探偵会社「MR」広報担当
浮気相手として多いのは、職場での人間関係です。
しかし、浮気に発展するキッカケとして挙げられるのは、「お酒の席」だと言われています。
銀座のクラブは敷居が高いですが、地方のキャバクラだとしても、お酒を飲む場は男女の距離をグッと縮めます。
水商売の女性が、お客さんと恋愛関係になるのは、自然の流れなのかもしれません。
他にも「枕営業」の可能性は?
営業行為だから、恋愛(不倫)ではない。
この論法がまかり通るとなると、どんな詭弁がうまれるかと恐ろしくなります。
- 取引先の女性担当者
- ゴルフ・テニスのコーチ
- ピアノ教室の先生
不倫関係に発展するかどうかは別として、これらの人が浮気相手の場合は「同様の言い訳」が通るでしょう。
「対価はレッスン代に含まれています」
ネットでも話題に
ネットでも、この判決に関しては取り沙汰されています。