浮気され、携帯を川に投げ入れられた幼い恋。

私が中学三年生の時のことです。付き合って一カ月の彼氏がいました。
彼は他校の中学に通っていて、すごいカッコいいというわけではないのですが、大人な雰囲気を持っていて目立つ存在でした。
私の中学でも彼のことを知っている人はたくさんいました。
グイグイと引っ張ってくれてすごい男らしい彼なのですが、車道側を歩いている私の腕をグッと歩道側に引っ張ってくれるような優しさのギャップに完全にやられていました。
彼と付き合い始めて、友達に報告をしたとき、友達に言われました。
「Aちゃんの彼氏、あまり良い噂聞かないけど大丈夫?」
その時の私は、友達の言葉は全く耳に入っていませんでした。

忙しい彼氏

私の家と彼の家は電車で二駅分の距離がありました。
中学三年生の私はお小遣いもそんなにもらっていなかったので、歩いて彼の家まで通っていました。
彼はほんの些細なことでも私を家に呼びます。
「お菓子買って持ってきて」
「ポスター貼る画鋲ないから持ってきて」
「漫画持ってきて」
いま思えば完全に都合の良い女だったと思います。
しかし、当時の私はそれを尽くしてると思い、喜んで彼の家まで持って行っていました。
 
彼は野球チームに所属していて、毎日忙しい人でした。
夜は疲れて帰ってきてすぐ寝てしまうため、連絡もあまり取れません。
休みの日も練習があるので、早く練習が終わった日や練習がお休みの日にしか会えません。
それでも私は不満ひとつなく付き合っていました。
家に行くと、だいたい彼は携帯をいじって誰かとメールをしています。
たま~に呼ばれてかまってもらうとそれがとても嬉しく幸せに感じました。
彼には幼なじみの男の子がいて、いつも三人で遊んでいて、彼はいつも相手してくれないので、その幼なじみとの仲の方が深まっていってました。
こんな状況でも幸せに感じていたある日、突然現実を突きつけられました。

中学生の浮気

幼なじみのM君と夜、電話をしていた時のことです。
M君がいきなり言い出しました。
「なんかこれ以上見てるのが辛いから言うけど、あいつ浮気してるよ。」
「いつも夜、連絡とれないのは他の女と会ってるからだよ。」
「休みの日も練習は午前中に終わるから、その後は違うこと遊んでるんだよ。」
突然のことに、私は頭が真っ白になりました。
中学生の付き合いに浮気するとかされるってあるものなの!?と全く追いつけない状態でした。
それでも私は聞きました。
「誰と浮気してるの?」
M君は、「だいたいは元カノかな。でも先輩ともしてるし、何人もいるよ。」と。
100%信じていた彼に裏切られ、あまりのショックに涙が止まりませんでした。
次の日は卒業式だったのですが、目を腫らして出席しました。
卒業式の最中もずっと彼のことを考えていて、何かの間違いなんじゃないかと自分の都合の良いように考えていました。
しかし、夜に連絡が取れないこと、練習も早く終わるのに遅く終わったふりをしていること…全てが浮気をしていると辻褄があい、心の整理はなかなか出来ませんでした。

浮気の証拠

卒業式が終わった後、彼から連絡があり、彼の家に行くことになりました。
でも二人きりで会う気分ではないのでM君も誘い三人で彼の家で遊ぶことになりました。
彼の家に行っても相変わらず彼は一人でお昼寝をしだし、M君と二人になりました。
そうするとM君は彼の本棚から写真アルバムを取り出し、私に見せてきました。
そこには元カノとのツーショット写真や、キスをしているところ、上半身裸の写真が貼られていて、日付を見ると私と付き合ってからのものでした。
その写真を見たとき、ショックなのももちろんありますが、それよりも気持ち悪くなってしまって、何かが吹っ切れました。
彼が起きるとM君は帰ってしまい、二人きりになりました。
彼は誰かとメールをして、しばらくすると「今日これから用事あるからもう帰って」と言われました。
いつもなら大人しく帰りますが、今日の私は強気に出てみました。
「用事ってなに?誰と会うの?メール見せて」
いつもと違う態度に彼は驚いていました。
彼「先輩とご飯に行くだけだよ」
私「先輩って女の人?」
彼「男の人だよ」
私「じゃぁ、メール見せて」
彼「なんで急に?」
私「いつも私の携帯見てるんだから、私も見てもいいでしょ」
そう言うと、彼は「じゃぁ、一瞬だけね」と言ってパッとメールの画面を見せてきました。
しかし、そこには女の人の名前がしっかりありました。
「この人バカなのかな」っと思いながら、「女の人じゃん!」と問い詰めました。
私は、彼が謝って言い訳してくると思っていました。しかし、まさかの言葉が…。
「だってお前ご飯おごってくれないじゃん。だからしょうがなくない?」
まさか開き直るとは思ってもなく、何も言えなくなってしまいました。
呆れてしまい、私は何も言わず帰りました。
私の中で完全に好きという気持ちはなくなっていました。

別れる決意

それから数日後、彼から連絡があり、話し合うことにしました。
もう私の中では別れる気持ちは固まっていて、ガツンと言ってやろう!と彼の家に行きました。
しかし、彼はいつも私の想像を超えてきます。
家に着き、彼の部屋に行くと彼と元カノがイチャイチャしていたのです。
私が来たのに気づくと、悪びれることもなく服を着て「おぉ、来たか」と。
そして何故か元カノも帰らず、部屋の中に三人がただ黙って座っている時間がしばらく続きました。
私ももうどうでもよくり、話し合いもしなくていいやと思い、黙って帰ることにしました。
歩いて帰っていると、後から彼が追いかけてきて「なに急に帰ってるの」と怒り出しました。

あの状況なら普通帰るでしょ。もう会いたくないし、別れよう。
は?別れるとかありえないんだけど。
浮気してるのに一回も謝らないよね。
しょうがないじゃん。俺のこと好きって言ってくるんだもん。

この人に何を言っても無理だと思いました。

私はもう好きじゃないよ。

そう言うと彼の顔つきが変わり、思いっきり私を突き飛ばして、倒れた私に蹴りを入れてきました。

他に好きな人できたのか?
違うよ

そう言ったのですが彼は信じず、私の携帯を取り上げてメールをチェックし始めました。
何もないことを確認した後、彼は私に「お前マジ最悪だな。性格わりぃ。」と言い、私の携帯を川に投げて帰っていきました。
何で私が最悪なのか性格が悪いのかわかりません…。
携帯も壊されこっちが最悪だよ!!と思いました。
それから携帯を壊されたこともあり、彼から連絡がくることはありませんでした。
付き合ってすぐ、友達の言葉を素直に聞いていたらこんな結果にはなっていなかったかもしれません。
恋は盲目だと本当に思いました。
しかし、彼の浮気をやめさせられる自信は全くありません。
その後も彼の最悪な武勇伝は私の中学、高校まで伝わるほどでした。
この経験から私は人を冷静にみられるようになりました。
今では浮気する人は、話せばなんとなくわかるようになりました。
これは彼と付き合って唯一良かったことだと思います。

 

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