私は、42歳の専業主婦で、地方都市でのんびりと暮らしている。
以前は大手企業でバリバリのキャリアウーマンと言われる総合職。
その職は、楽しかったし、一生勤めるものだと思っていた。
20年勤めて、まさか辞めることになるとは、人生とは本当にわからない。
後悔しても、もう終わってしまったことだから仕方がない。
じつは職場の同期男性とダブル不倫をしてしまったのだ。
(注)この記事は当サイトにお寄せいただいた体験談を一部編集してご紹介しています。
不倫の始まりは職場にあり
彼とは、ずっと普通にただの同期入社同士という関係だった。
彼が地方の支社から、私のいる本社に戻ってきて、違う部署ではあったけど、たまたまお互い残業していたときに、帰りのエレベーターでばったり一緒になった。
時間も遅かったから、彼が「軽くなんか一緒に食べる?」と言ってきて、それに答えてしまったのが、二人の関係の始まりであった。
そのときに、彼に、「新卒のときと比べて本当に魅力のある女になったよなぁ」なんて言われて、彼がお酒も入っていたからか、頬にキスをしてきた。
そして、手もつないできた。
私は心の中ではダメと思いつつも、自分もお酒も入っていたからか、手をつながれたままであった。
そのまま、その日はさよならをしたけれども、お互いにその後も、惹かれてしまったのか、残業という名前のデートをしてしまうようになってしまった。
彼は既婚者で二人の子どももいる。
私には子どもはいないけど、夫がいる。
ダブル不倫なんて、知ってはいたけど、自分がするなんて考えてもいなかったことをしてしまった。
私の夫は単身赴任中だったので、心のなかに寂しさがあったのだろう。
そして私よりも彼の方が私に夢中になり、日曜日にまで仕事という名目で、私に会うようになってしまっていた。
私は、それはよくないと彼に何度も伝えたけれども、心の中では、会いにきてくれる彼がうれしくてたまらなくなっていた。
ときには、彼の出張時に、私は有給休暇を取り、旅行もすることもあった。
私も夫という存在を忘れてしまうほど、彼が生活の一部になってしまっていた。
しかし、ダブル不倫の終焉は確実に近づきつつあった。
知らぬ間についていた探偵、内容証明が届く
突然、楽しい不倫関係の毎日に終止符が来た。
私のところに彼の奥様から内容証明が届いたのだ。
彼に今後接触してはいけないことと、慰謝料を請求することが書かれていた。
私の知らないところで、奥様は気づいていたらしく、私たち二人に探偵をつけていたようだ。
その時点で、現実に戻され、自分はなんていうことをしていたのだろうと反省したが、後のまつりである。
彼とはその時点で会うのはやめて、私は素直に慰謝料を払った。
それは会社にバレたら、私も彼も会社を辞めなくてはならないと悟ったから。
今までの楽しい日々がなくなり、最初は悲しくて仕方がなかったが、奥様の立場になってみたら、ひどいことをしたとも反省した。
彼も私もそのまま会社に勤め続けたが、私は以前のように、仕事に打ち込むことが精神的にできなくなっていた。
彼とは同じ会社だから、違う部署であっても、話すことはなくても見かけることがある。
それさえもつらくなってしまったのだ。
意外と弱い自分の心にびっくりしている。
不倫が原因でキャリアを捨て、退職することに
だから約20年勤めた会社を退職することも、あっさりと決めてしまったのだ。
運が良いことに、単身赴任中の夫には、私が不倫していたことが一切伝わらなかったことで、私は夫とは夫婦のままではある。
彼も離婚はしていないようだ。
ただ、私は大手企業の総合職という職を失ってしまった。
夫は突然好きな仕事を辞めた私にびっくりしたが、しばらくゆっくりしたらという優しい言葉をくれた。
そして、私は夫の単身赴任先へ行くことに決めた。
何も知らない夫をに感謝し、これからは夫との生活を見つめなおしたいとは思ってはいるが、バリバリ働く、耀いていた自分に戻れないのが、寂しい。
時間が経つと、なぜあっさりと辞めてしまったのかと後悔だけが残ってしまった。
不倫さえしなければ、何も変わらないままであったのに。