短期大学を卒業し、社会人になって2年が経ったときのことです。
職場の先輩が「社会人の女性の夜の楽しみ方」と、ホストクラブに連れて行ってくれたのが、彼との出会いでした。
初めて行ったホストクラブはとても華やか。
キラキラしていて、今までそういった世界とは無縁だった私には場違いな場所でした。
連れて行ってくれた先輩はどうやらホストクラブの常連さんだったようで、その環境に馴染みきっていました。
ホストのお兄さんたちは話を盛り上げようと質問をしてくれたり、飲み物を勧めてくれたりしてくれました。
しかし、人見知りの私には、支払い(お金)のことや、その雰囲気に落ち着かなくて、気づくと私は孤立状態になっていたのです。
(38歳・女性・会社員)
(注)この記事は当サイトにお寄せいただいた体験談を一部編集してご紹介しています。
初めてのホスト体験
私は早く帰りたいけど、先輩は楽しんでいるし・・・。
でも、正直ホストクラブには居づらい・・・。
そう思っていたとき、今までグイグイ来るお兄さんばかりだった(先輩がグイグイ系だったので特に)のに、気づくと彼が横に居て「明日・・・晴れますかね?」と自然に聞いてきたのです。
なんとなく、その自然な雰囲気に私は「なにか明日あるんですか?」と返答していました。
「いや犬の散歩・・、さいきん雨続きで、できなかったから。」その言葉に犬の好きな私は、彼に妙な親近感を感じました。
優しい人なのかな?
落ち着くな・・・。
そう、私は一発で彼に惹かれてしまったのです。
いま思えば、先輩に誘われただけでも緊張しているのに、ホストクラブという慣れない場所に不安を感じた時だったので、吊り橋効果的な心理が働いていたのかもしれません・・・。(笑)
ハマってしまったホストクラブ
その日をきっかけに、私は先輩についてホストクラブにいくように・・・。
お目当てはもちろん彼(B君)です。
ホストクラブも2回3回と回数を重ねるうちに、私自身も環境に慣れ、一人でも行けるようになっていました。
彼とは連絡先を教えて貰えるほど仲良くなり。
だんだん彼の雰囲気に惹かれ(もっと一緒に居たい・・・)そのように思うようになったのです。
もちろん彼はホスト、(私とはお金だけの関係なんだ)とも思いました。
私:「何でホストなんてしてるの?」と聞くと・・・。
彼:「早く奨学金を返して親孝行したいから」
彼の優しさに心を打たれてしまい、私から「お客さんとホストの関係じゃなく、お付き合いして欲しい」と逆告白していました。
お金の無心
彼とお付き合いするようになり半月もすると、彼が真剣な顔で「お金を貸して欲しい」と言ってきたのです。
いくら必要なのかと聞くと「30万円くらい・・・」。
理由は「ペットの犬が怪我をしたから」ということでした。
私:「心配だから見に行こうか?」
彼:「絶対安静だから、犬が嬉しくて暴れたら駄目だから」
30万円・・・。
(高すぎない?)とも思いましたが、ペットは保険が効かないので病院代は高くつく。
そのことも知っていたので、早く元気になるように・・・と彼にお金を渡しました。
「ペットの看病で休むから、しばらくお店には来ないでね」
「他の奴(ホスト)の接客をうけたらヤキモチ焼いちゃうし・・・」
そう彼が言うのでお店にも行かないようにしていました。
逆ギレする彼
しかしその後、彼とは連絡が取れなくなってしまい、心配した私は、つい彼の家へ向かってしまったのです。
彼の家のチャイムを鳴らすと、出てきたのは女性です。
私は「Bくんは・・・」と言いかけると、
その女の人は最後まで聞く前に「主人は居ません」と言ってバン!とドアを閉めてしまいました。
主人?
どういうこと?
犬の具合は?
混乱した私は、すぐに彼の勤めるホストクラブに行きました。
私は、彼にどういうことかを問いただすと、彼は今まで見たことのないような冷たい目になって言い放ちました。
「そこまでするとか引くんだけど・・・嫁さんにまた怒られるだろ・・・。普通気づくだろうが。」と逆ギレ。
私は悔しくて、自分の馬鹿さに情けなくて、そのまま逃げ帰ってしまいました。
後日、先輩にその話をすると、先輩も急に泣きだし「私も、騙されたの・・・」と話してくれました。
先輩もホストとお付き合いし、遊ばれてしまったそうです。
悔しくて二人で泣きながらその日は飲み明かしました。
結局、犬の治療費にと渡したお金は戻ってきませんでした。(後日行くとB君は辞めたと言われました。)
ちょっと高い勉強代になりましたが、飲み会なんかで使う「恋愛トーク」の鉄板ネタになりました。(笑)