突然、不倫相手の配偶者(夫・妻)から内容証明郵便が届いたら、どうしていいかわからないでしょう。
おそるおそる開封してみると内容証明には、「慰謝料の請求・不倫の証拠を有している」ことが書かれていますね。
内容証明を送りつける配偶者の意図
人生のなかで内容証明郵便を受け取った経験のある個人は少ないと思います。
そういう意味で、内容証明郵便を受け取った不倫相手はビビってしまいますね。
しかし、内容証明自体には「誰が・いつ・誰に・どんな手紙を出したか」ということを証明するに過ぎません。
内容証明は郵便物の差出日付、差出人、宛先、文書の内容を国の特殊会社である日本郵便株式会社が謄本により証明する制度である。
つまり、「この手紙をいつ、誰に、この内容であなたが出しました」ということを国の業務委託を受けた日本郵便が証明するもの。
Wikipedia「内容証明」より
不倫相手に内容証明を送りつける配偶者と、その依頼を受けた弁護士サイドの意図としては、不倫相手に宣戦布告することです。
先に書きましたが、内容証明を受け取った不倫相手がビビってくれれば、それだけで内容証明を送った目的を達成したと言えます。
ただし、「法的措置に出る用意があります」というメッセージを含めた宣戦布告です。
この通知を無視して連絡をしないでいると、相手方は裁判所経由で「民事調停」を申し入れてきます。
内容証明の次は、裁判所からの調停通知だから心理的なダメージは大きいでしょう。
不倫が事実ならば、やれることは慰謝料の減額交渉
ひとまずは、冷静に落ち着くことが大切ですね。
慰謝料の請求に対してこれを回避できるのかどうかが知りたいところです。
- 不貞の定義として
- 相手と肉体関係があった
- 相手が既婚者であることを知っていた
以上の2点が争点となります。
不倫相手の配偶者側が揃えている「不倫の証拠」が、どの程度この2点を客観的に示す証拠であるかが鍵になるでしょう。
配偶者側は、決定的な証拠をなるべく最後のカードとして切ろうとします。
そのため交渉時の最初からホイホイと証拠となる写真などは出さないことが多いです。
これは交渉のなかで、相手が不倫の事実を認めて自供したり、知り得なかった事実を喋ってさらに有利に展開することを望んでいるからです。
当然、交渉時の会話は録音や録画がされているので、うかつなことを口走ってしまうことは厳禁です。
配偶者側との交渉のなかで、どうにも不倫の事実を証明するしっかりした証拠があるようだと思えた時には、なるべく慰謝料を払わなくて済む方法を交渉してみる必要があります。
それでもダメならば、請求された慰謝料の金額を安くしてもらう減額交渉が妥当な線でしょう。
交渉相手が弁護士なら減額交渉は難しい
この減額交渉、配偶者側が弁護士を立てている場合には上手くいかないことが多いかと思います。
残念ながらここに市場原理が働いてしまうからです。
弁護士との交渉では、報酬を得るために相手(弁護士)も必死です。
すでに配偶者側からは報酬支払いの契約をしていることから、手ぶらで帰るわけにはいかないでしょう。
なるべく金額を少なく出来る交渉を粘り強く続ける以外にないでしょう。
ただし、弁護士をたてない、配偶者との「個人と個人」の場合は、不倫によって家庭を壊したこと、配偶者を精神的に傷つけたことを反省し、心から謝罪をすれば、慰謝料の支払いを許してもらったり、減額してくれることもあります。