それはある日突然やって来ました。
時間を確認するために、たまたま近くにあったパートナーの携帯を開きました。
待ち受けには見知らぬ女性がいて、私を見て微笑んでいます。
イヤな胸騒ぎがしました。
私のパートナーは曲がったことが嫌いで、不倫など絶対に考えられないような人でした。
結婚してからこれまで、一度として波風が立つこともなく過ごしてきて、この先も平穏な人生を過ごしていくものと思っていました。
妻の直感は大抵当たるものです。
私は、これから見せ付けられる事を、もう何となく予想できていました。
(注)この記事は当サイトにお寄せいただいた体験談を一部編集してご紹介しています。
異変
これまで味わったことのないような心臓の鼓動でした。
激しい鼓動と過呼吸になりそうな息苦しさを感じていました。
見てはいけないと分っていても、その時の私はメールを開かずにはいられませんでした。
ロックしておかない人も悪いのですが、そこには女性とのやり取りが残されていました。
親密な内容に私は目眩がして、その場に座り込んでしまいました。
心臓の鼓動が更に早くなってオーバーヒート寸前でした。
思えばここ数ヶ月間、パートナーは毎日のように残業していました。
休日出勤もしていました。残業で終電が無くなり泊まった日もありました。
全て仕事と思い込んで疑いもしなかった自分が滑稽で可哀想にすら思えました。
その日は子供に悟られないよう平静を装い、何事もなかったようにパートナーにも接しました。
不倫の証拠を抑える
翌日、パートナーが仕事に行った後、鞄やスーツのポケット、机の中などをしらみつぶしに確認しました。
何か証拠になるものを探したかったのです。
【参考】矢口真里の不倫騒動にみる浮気現場の証拠を確実におさえる方法
1枚のホテルの領収書が見つかり呆然としたのを憶えています。
どこかで間違いならいいのにと思う微かな望みも虚しく、証拠が私の目の前に突き付けられました。
その夜、子供が眠った後にパートナーへ話があるからと呼び出しました。
単刀直入に「不倫している?」と聞いたところ「しています・・・」と。
はっきり言われるとショックでした。
相手は誰か聞いたら、職場の女性ということが分りました。
パートナーは謝るでもなく、その女性と一緒になりたいと言い出します。
申し訳なかったと謝られる事を想定していた私は、いったいこの人は何を言っているのだろうと一瞬事態がのみ込めませんでした。
まだ小さい子供はどうするの?
私はどうなるの?
身勝手過ぎる言葉にひどく動揺しました。
不倫相手との対面
今思えば、燃え上がってしまい周りが見えなくなっていたのでしょう。
結婚して当たり前のような生活を繰り返し、平穏な世界から刺激的な世界が魅力的に見えたのかもしれませんね。
その日から家庭内の雰囲気がガラリと変わりました。
些細なことで言い争いをする両親に、子供たちは親の顔色をうかがうようになりました。
私は一大決心をして、友人に付き添ってもらいパートナーの仕事場を訪れました。
その日はパートナーが出張で職場に居ない事は確認済みでした。
パートナーから聞き出していた不倫相手の女性を呼び出しました。
その女性を見て驚きました。
携帯の写真よりずっと若く見えるその女性は、まだ20代前半でしょうか。
パートナーとの事を問いただすと、詫びの一言もなく自己防衛の言い訳ばかりでした。
そして平気で嘘をつく。
その程度の女性でした。
パートナーが結婚したいと思っている事を伝えると、困ったように自分はそういった気持ちはないと言います。
それはそうでしょうね。
女性にとっては単なる都合の良い遊び相手か、年上の上司をからかっているのか、そんな軽い気持ちのように感じられました。
そんな人に家庭を壊されたと思うと、何だか遣り切れない悔しさと、子供たちが可哀想でなりませんでした。
女性には今後一切個人的な付き合いはしないよう釘を打ちました。
覆水盆に返らず
その後、パートナーは女性と直ぐに破局を迎えたようでしたが、私達夫婦の溝は埋まりませんでした。
パートナーは罪悪感からか良き家庭人になろうと演じていましたが、その内それも疲れてきたようで、元の何もしないパートナーに戻りました。
私はとても今までと同じには接する事ができず、なるべく一緒の空間に居ないようにしていたと思います。
家庭内別居状態で、口を開けば必ず喧嘩になりました。
私はそんな生活を続けて行く事に心身ともに疲れてしまい、暫くの間子供を連れて実家に身を寄せていました。
その間にパートナーが家を出て行きました。
私は弁護士事務所に相談して調停を申し立てました。
第三者が介入した方が話し合いがスムーズにいくと思ったからです。
結局、私たち夫婦は離婚することになりました。
一時の快楽が家庭を壊してしまいますし、出来てしまった溝を埋めるのは並大抵のことではありません。
不倫は人生を狂わせます。