いま思い返すと、かっこいいという部類ではないけれど、何か魅力的で色気のある男性でした。
彼には独自の世界観があって驚かされる事が多く、年上だったのに幼稚なところもある男性でした。
彼の素行と発言は、それまでの私の常識外の事が続きました。
まず彼の家に遊びに行くようになって、部屋でちょくちょく女性物をみかけました。
私が彼に尋ねると「前の彼女のもの」だとかで、はじめのうちは信用していました。
しかし、前の彼女の品々を片付けないところも、いま考えればおかしいし、怒っても良かったのかもしれません。
私の出張中に、私の友人(女性)を誘ってでかけたり、デート中に前の彼女から電話がかかってきて、なぜか合流したりと、よく理解できない事が続きました。
自由奔放な彼に振り回される
約束をしたのに、待ち合わせ場所にいないとか普通にありました。
2~3時間待たされる事もありました。
楽しい事が大好きで、まじめな話が苦手で逃げてばかり、彼とは話し合いができませんでした。
ある日のこと、彼に「友達の女性を家に泊めるから」と言われて、
「もし私が友達の男性を家に泊めてたらどう思うの?」と訊きました。
すると「絶対いやだ、そんなことしたら別れる」と彼は答えます。
私は子どもに諭すように「自分がやられて嫌なことは、相手にやるべきじゃないのでは?」と言いました。
驚くことに彼は「自分は特別だ」と言い放ち、女性を本当に泊めてしまいました。
「そんなに嫌なら、おまえも一緒に泊まればいい!」と、屁理屈を言い放っていました。
疲れ果ててしまった私
まわりの友人からも、女性と一緒に歩いていたよ、と良く聞かされました。
浮気に気がついたというより、彼にとっては浮気とも思っていなかったのかもしれません。
彼にとってはその瞬間が楽しければそれでよく、自分がかわいくてたまらない人でした。
私は、もともとがまじめな性格なので、彼の奇天烈な行動に少しあこがれていたのだと思います。
私が一番傷つき苦しんだ事は、出張中に私の友人を誘っていた事です。
その友人からは、「二人のために良いと思って」などと上から目線の言葉を投げられました。
彼女とはそれから会っていません。
それから彼とは、何度も何度も話し合い、浮気はしなくなったと思います。
彼を調教するのに、とても多くの時間と労力を使いました。
私は彼の浮気を探るような事はしなかったので、彼が本当に浮気を辞めたのかどうか分かりません。
しだいに彼が何をしても、彼の事を疑うという気持ち・行動になってしまい、一緒にいても悪いところばかりが目に付くようになりました。
私は疲れ果てて、そんな自分も嫌になってしまいました。
彼とは長く一緒にいたのですが、結局は許すことはできずに別れました。
今、思い出したら、一周してとても笑えます。
長くつき合っていた私に対してもそうだし、あそこまで、自分の事しか考えず、我を通し続けている彼も面白いと思います。
どうやら今では彼も結婚して子どもがいるようです。
そして、奥さんがどうやら女性事で苦労しているようだとFacebookで知ることができました。
やはり持って生まれた性格は治らないのかなぁと思いました。
もう少し時が流れたら、彼ともおしゃべりしてみたいと思えます。
果たして、日本の常識っぽい生活ができるようになったのか、この国は一夫多妻制じゃない事を理解したのか、聞いてみたいもんです。
彼との関係に疲れた私は、奇天烈な言動をする人には一切あこがれる事もなくなりました。
まじめで、普通に働き、普通に家に帰り、一緒にテレビをみて笑い合える人がとても大切に思えます。
いまは普通が一番幸せだとしみじみ感じながら過ごしています。