夫婦はもともと他人同士。
血のつながりのない二人が寄り添って、時間を一緒に過ごすことで、少しずつ家族になっていく。
だから、一緒に生活すること、共有する時間が失くなってしまったら、夫婦生活を続けていくのは難しいでしょう。
結婚すると夫婦の間ではいろんなことがあります。
それは、他人に話すようなことではない些細なこと、重大なことなど様々。
意見が食い違ったくらいならば、まだいい。可愛さ余って悪さ百倍、一生恨み続けるのもまた夫婦なのです。
どちらかの不倫が原因で、ぷいっと家を出て行ってしまう事があります。
これは家出といえますが、不倫相手の家に転がり込んだり、実家に帰ってしまうと、思わぬ長期化をして別居に至ることも少なくありません。
別居は離婚を避けるための冷却期間。
熱くなった頭を冷やすには効果がありますが、夫婦の愛情が冷えてしまっては元も子もありません。
お互いに反省することが別居の意義
別居は離婚を避けたい夫婦が設ける冷却期間。
一度離れて暮らすことで、お互いに冷静になり、お互いに反省をすることが目的。
どちらかが一方的に悪いようにみえることでも、よくよく考えれば落ち度はあるもの。
せっかく、お互いの顔を見ずにイライラすることがないのであれば、良い機会と捉え、相手と自分の関係を棚卸しすることが必要です。
- 相手の言い分は的を射ているのか
- 自分の主張は間違っていないか
- 第三者が聞いたときに納得するか
- 二人の生活のなかで失われていったものはないか
- どうすればやり直すことができるのか
- 10年後・20年後に一緒に暮らしたいと思うか
- 相手の良いところはどこか
- 離婚しても後悔はしないか
離れて暮らすことで生活は苦しいものになるかもしれません。
しかし、精神的な安定を代わりに得られているようであれば、考えることが大切です。
一人で暮らす、精神的な安らぎに甘んじてしまったら、もとに戻ることは難しい。離婚へのカウントダウンが始まっていると言えます。
別居から離婚までの期間
夫婦の間でいさかいが起きたときに、どちらかが家庭裁判所に離婚調停を申し立てることがあります。
離婚調停で離婚までの結果に行き当たらない場合、まずは別居をして冷却期間を置くことをすすめられます。
離婚を前提とした別居の期間は、おおむね半年から一年くらい。
その間に、お互いが納得し、条件が整えば離婚が成立します。
別居も三ヶ月を過ぎれば、離婚は自然な流れといえるでしょう。
また、別居が一年以上続くと、事実上婚姻関係が破綻したとみなされることが多いようです。
慰謝料をとるつもりなら別居前に不倫の証拠が絶対必要
夫婦のどちらかが不倫をしていて、それが別居の理由になっている場合。
パートナー・不倫相手に慰謝料の請求をしようと思ったら、別居前に不倫の証拠をつかむことが必要です。
別居後(別居期間)に、あらためて不倫の証拠をおさえても、損害賠償請求は少額になってしまうケースがあります。
高額な慰謝料の条件は、以下の二点。
- 不倫によって婚姻関係が破綻したこと
- 婚姻関係破綻による精神的な苦痛を被ったこと
別居期間中は、「すでに婚姻関係が破綻している」とみなされることがあります。
- 不倫があったから、別居したのか。
- 別居してから、不倫をしているのか。
これらは裁判で争点になりかねません。
逆にいうと、別居前にしっかり不倫の証拠を掴んでおけば、よけいな争点をあらかじめ潰すことができるのです。
別居後はほとんど離婚
残念ながら、いちど別居を選択してしまった夫婦が元に戻る確率は少ない。
別居後は、ほとんどのケースが離婚です。
もう、顔を見るのも嫌だ。といって距離をおくのはいいでしょう。
しかし、前述したように、お互いに反省をすることなしに、もとに戻ることはありえません。
一度は好きあって一緒になった二人。
結婚した後で、思っていた人と違ったことはあるでしょう。
別居は、もう一度、考えなおしてみるための期間。
離れて暮らすことの気楽さ・自由に逃げてしまっては、復縁することはできません。