ついに一線を越えた彼の行動に「きたるべき時がきた」ことを悟った夜。

私が同棲中の彼の浮気に気付いたのは、同棲を始めてから2年を過ぎた頃だと思います。
それまで仕事で遅くなるときには、必ず電話での連絡がありましたが、その頃から連絡なしで帰宅が遅くなる日が多くなりました。
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女はやはり男の変化には敏感なものです。
「なんか可笑しい…」とは思っていましたが、証拠も無く彼を問い詰めることはできません。
不信感を抱きつつもただ黙って、彼の様子を探るような目で見ておりました。

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きたるべき時がきたことを悟る

そんなある日のこと、とうとう彼は帰宅しませんでした。
眠れない長い一夜を過ごした私は、「来るべき時が来た」ことを悟りました。
それまで彼が遅くなっても帰宅していたということは、私への配慮だったのでしょう。
他の女性がいたとしても、まだ私との関係をつなぎ留めておく気持ちが彼の中にあったのかもしれません。
しかし、その日はとうとう私への気持を断ち切り、別の女性を選んだということになります。
悔しさや惨めさで胸がいっぱいになり、後から後から涙が溢れました。
出会った当初から、彼の女好きな性格は分っていたので、いつかはこんな日が来るのではないかと心の中にいつも不安はありました。
それでもやはり現実に起きてみると、胸の中に無理やり手を入れられて心を引きずり出されたような痛みを感じました。

彼の浮気を確認する作業

彼から連絡があったのは、お昼過ぎになってのこと。
「昨日は友達の店で飲みすぎてしまって、気が付けば朝だったのでそのまま会社に出社した」とのこと。
「ああそう…」と私。
それだけの会話でしたが、全て自分が予想していた彼の言葉でした。
 
その日の夜はさすがに彼も早く帰宅しました。
いくら何でも下着や服も替えずに、何日もいられません。
彼がお風呂に入っている間に、いやらしい行為だとは思いながらも昨日着ていた彼の上着をチェックしました。
ポケットには何も入ってはいませんでしたが、上着の肩あたりにひと目で分るほどの油汚れが付いていました。
紛れも無く女性のファンデーションです。
「やっぱり…」私のいやらしい行為は、彼の浮気の確認だけのものでした。

彼に別れを切り出した

その頃、私は30歳を超えている十分大人の女、彼は1歳上だけの同年代と言えます。
この頃の男女は、年齢が近くても考え方はかなり違いがあります。
女は安定を求めますが、男はまだ自由や気楽さを求めている年代です。
そして私は私自身のどうしようもない性格も知っていました。
一度不信感を覚えた男に対して、もう二度と以前のように愛せなくなるということを…。
 
深呼吸してから、彼との話し合いに臨みました。
私の言い分は「あなたのしていることは分っている、私達はもう終わり、一日も早く別れましょう」
彼はこうなる覚悟をしたうえで、昨夜は帰宅しなかったのだから、返す言葉もなかったのでしょう。
見た目だけはうなだれていましたが、内心は私から別れを切り出してくれたことにホッとしていたのかもしれません。
私は「ほんの気の迷いだった。お前とは別れる気持はない」という彼の言葉を心のどこかで期待していたのですが、彼からの言葉はありませんでした。

出て行った彼

それから数日して彼はふたりで暮らしていた部屋を出ていきました。
こうしてふたりで過ごした2年という時間が、永遠に消えていきました。
私があの時別れを切り出さなければ、もう少し彼との関係は続いたかもしれません。
しかしそれと引き換えに、今まで愛した男を不信の目で見て暮らす日々や、いつも心に針山を抱いた自分と対峙しなければいけなくなります。
私のあの時の決断に、何の後悔もありません。
未練のある思いを断ち切るということは、心の外科手術を行うようなものだと思うのです。
一時は大変痛い思いをしても、オペは早ければ早いほど回復も早くなると思います。
もうほとんど思い出すこともなくなりましたが、ほろ苦いチョコレートのような後味の記憶だけが心の片隅に残っています。

 

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