私がインターネットのサイトで知り合った人の中で、最もはまってしまった出来事です。
ある趣味サイトの伝言版への書き込みに妙にひかれて、返信を入れてしまいました。
返信なんて来ないだろうと言う確信があり、書き込みをしてしまっただけ。
しかしその日の夜には、返事が届いていたのでした。
次の日、お昼頃にお礼のメールを入れました。
それから一日に何通かのやり取りをして、少し経った時に電話番号を聞かれました。
私自身も結構好意を持っていましたし、話してみたい衝動にかられて携帯の番号を教えていました。
(注)この記事は当サイトにお寄せいただいた体験談を一部編集してご紹介しています。
セックスレスの鬱憤
数日後、彼から電話があり、
「二人で会おう」と言われて、迷うことなく会いにいきました。
それまで、彼とはなんどとなくコメントのやりとりを繰り返していたので、ふだん会うことのない女友達なんかよりもずっと親近感があり、会話もはずみました。
私は結婚をしていましたが、夫とは長いあいだセックスレスで、家庭には会話さえなくなっていました。
だから彼が誘ってきたときには、抵抗することもなく体の関係を持ちました。
そのときの私に後悔はなく、むしろ満たされた気分でいました。
その行為が終わると、彼がとつとつと自分のことを話し始めます。
(彼の)不倫相手に子供が出来て、自分の子だと解るだけに産ませるわけにはいかなくて、意見が平行線をたどり彼女とは別れることになった。
(不倫相手には)メールも電話も拒否されている。
彼の話を聴いていて、私はその彼女の代わりに利用されたようで、ショックでした。
ただ、大人の対応というのか、あからさまに非難したり残念がったりすることはためらわれて、
彼には当たり障りのない返事を返して、その日は帰りました。
たぶんこれで彼からの連絡はないだろう。
私が予感した通り、その日を境に彼からメールも電話もなくなりました。
束の間の恋(不倫)は終わったのです。
不倫相手の子供を出産
彼のことも忘れかけていたころ、メールが一本シレッと来ました。
「電話してもいい?」と彼。
暇だった私は「どうぞ」と返信。
彼の電話の内容は、私をどうこうしようというのではなく、彼の元カノ(不倫相手)についてアレコレと一方的に話してました。
- 元カノから連絡があった
- 妊娠していた子供が無事に生まれた
- 子供は旦那の子として育てる
- ただ、旦那も奥さん(元カノ)の不倫に勘づいているらしい
彼の話を聴いている私にとって、まったく現実感がなくって、返す言葉が見当たらないというのが正直な心境でした。
それから十年余りたったいま、
彼とあの夫婦はどうしているんだろうと、たまに思い出してしまいます。
彼はただ、あの出来事を誰かに聞いて欲しかっただけかも知れません。
必ずしもその相手が、私でなければならなかった理由もないでしょう。
彼は寂しさから逃れるために他の人を求めても、心の中ではずっとその彼女が忘れられずにいたのでしょう。
彼女とよりが戻って、また付き合うということみたいでした。
それからしばらくして、私は携帯の電話番号を変更したのでした。
彼もアドレスを変えたみたいです。
彼のことを好きだと思っていた感覚はなくなっていました。