二年ほど前の話ですが、当時僕には付き合ったばかりの彼女がいました。
三歳年下の大学に通う女性です。
彼女は僕の家の近くにあるコンビニで働いていました。
何度も通っているうちに彼女に声をかけられ、よく話しをするようになっていくと、連絡先を交換するようになるまでそれほど時間はかからず、すぐに恋人という関係になりました。
彼女はとてもかわいらしい女性でした。
笑顔を見ると、誰もが自分に気があるのではないかと勘違いしてしまうような人懐っこい笑顔を浮かべるのです。
そのため、僕は彼女が他の男に言い寄られてしまうのではないかと不安に思っていました。
そのことで特に束縛をしたということはないのですが、付き合って数ヶ月経ったころから、本当に大丈夫だろうか、と心配するようになったのです。
さり気なくコンビニチェック
そんなある日、僕は彼女が働くコンビニの前を通りました。
付き合うようになってからは、彼女が恥ずかしい、と言うので、そのコンビニに行く機会は減っていました。
しかし駅から家に帰るまでの道を少し遠回りすれば、そのコンビニには行けるので、ちょっとしたイタズラ心のつもりで行ってみたのです。
チラリと中の様子を伺うと、彼女がレジで接客をしていました。
そして、接客をしている相手となにやら親しげに話しをしているのが確認できたのです。
しかし、それで浮気を疑ったということではありません。
彼女の可愛さであれば、そのように声をかけられることもあるでしょうし、サービス業ですので、失礼な態度をとるわけにもいかないので、彼女も仕方なくそのようなことをしているのだろうと思っていました。
でも、少し心に引っかかりがありました。そのため、私は仕事から帰る際などに、毎回コンビニの前を通るようになったのです。
すると、毎回というわけではありませんが、何度も彼女と客が楽しそうに会話をしている姿を目撃してしまいました。
その時僕が感じたのは疑いではなく嫉妬心です。
とはいえ、それが彼女の仕事ですので、そのことを咎めるわけにもいかず、モヤモヤした気持ちだけを抱えていました。
そのような時期に、僕は彼女が働くコンビニで買い物をしました。
それは彼女もいない時間帯だったので、普通に買い物をしに行ったのです。
すると、彼女と僕が付き合っていることを知っている彼女の同僚とレジで話をすることになりました。
そしてそこで、とんでもないことを聞かされたのです。
その人の言う話では、彼女は自分に気のありそうな男性に愛想を振りまき、すぐに連絡先を交換してしまうらしいのです。
そして、何人もの男を作り、貢いでもらっているという話でした。
正直、彼女がそのような悪女だとは信じたくありませんでした。
僕の前での彼女は、いつも天使のような笑顔をしているのです。
しかし、考えてもみれば、様々なものをおねだりされた覚えもあります。
高級バッグをプレゼントしたこともありました。
そして、休みのはずなのに会えないということも多くあったのです。
携帯を盗み見てから、彼女が怖くなった
僕はすぐに確認をしました。彼女の携帯電話を盗み見たのです。
すると、少しの時間で確認しただけにも関わらず、少なくても彼女には五人の彼氏が存在しました。
今までの彼女の笑顔が、一瞬にして悪魔の笑顔に変わった瞬間です。
僕はそのことを彼女に確認するのも嫌でした。
このような女性が逆上したら何をするかわからないという恐怖もあったからです。
そのため、彼女の本当の姿を知ってしまったことは告げず、別れを切り出しました。
彼女は涙を流して嫌だと言いました。
別れたくないと連呼し、僕は何とかなだめて納得してもらったのです。
その全てが演技だという事実はとんでもない恐怖でした。
世の中には本当にこのような女性が存在することを知り、僕の中の女性に対する警戒心はかなり高まってしまうことになりました。
正直、二度と会いたくない女性の一人です。