大震災が壊した、妻の心と、私たちの夫婦関係。

妻が浮気を始めたきっかけは、東日本大震災でした。
震災の被災地であった私たちの住むエリアは、鉄道やバスも震災後しばらく復旧することはありませんでした。

比較的被災の軽い地域の会社に勤めていた妻は、一月ほどで通常業務に戻りました。
「通勤が困難だから」という理由で、会社の上司が車で送り迎えをしてもらうことになりました。

しばらくは定時すぎに家に帰ってきておりましたが、ひと月ぐらい経ったころから帰宅時間が遅くなり始める日が出始めました。

私は、送ってもらう上司の都合もあるだろうし、
震災の事後処理で仕事の量も半端ではないだろう(事実、私の会社もそうでしたから)、

そう思って、あまり気には留めていませんでした。

(注)この記事は当サイトにお寄せいただいた体験談を一部編集してご紹介しています。

告白された妻の浮気

そんな時、妻が深刻な表情をしていたので声をかけてみると、帰りが遅くなっていたのは、送迎してくれる上司とホテルに立ち寄っていたからだと言う告白を受けました。

余震があるたびに地震のときのことがフラッシュバックしてきて、精神的にとても不安定だったこと、
そんなときに優しくしてくれたのがその上司だったこと、だから気持ちがそちらへ傾いていたこと。

でも、震災前と変わらずに接してくれて、仕事も家のこともがんばっている私を見ていて、罪の意識にさいなまれていたこと、板挟みになっていたこと。
すべてを洗いざらい、泣きながら告白してくれました。
私はまったく妻の浮気に気が付いていませんでした。

信頼して送り出していただけに、裏切られていたショックも大きかったです。
でも、妻を責める気にはなれませんでした。

むしろ支えきれてあげられなくてごめん。そんな気持ちでした。
ただ、そのまま放置するわけにもいきません。
すぐさま相手と交渉することになりました。

妻もすぐに仕事を辞めるわけにはいきませんでしたし、そうなるとその上司との付き合いがなくなるわけでもありません。

  1. 車による送迎はやめること。
  2. 相手側の家族にはバラさないこと。
  3. 慰謝料などは求めないこと。
  4. 同様のことがあれば、家族にも知らせたうえで、法的な手段に出ること。

これが、私が出した条件です。

寛大だったかもしれませんが、震災の時に手を差し伸べてくれたのは事実ですし、妻の精神状態も含めて、その事を差し置いて相手方だけを責めるわけにもいきません。

相手方も納得した上で書面に残し、謝罪をさせた上で和解しました。

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浮気自体はこれで解決したものの、夫婦関係は以前と違って、ぎくしゃくしたものになりました。
私も妻のことを全面的には信用できなくなっていましたし、妻は私に対する気持ちは醒めてしまっているようでした。

ただ、私に対する依存度は以前より強くなっていました。
その当時の私は仕事がら出張が多く、家を空ける機会も多いものでした。

効率的に仕事をこなすために、家に帰らず出張先から次の出張先に直接移動することもしばしばありました。

妻は、私が家に帰らない理由を、「自分に対して醒めてしまったから、外にほかの女性がいるからだと」そう思い詰めてしまったようです。

大震災が壊した夫婦関係

そして、私が出張から帰って家で休んでいた時、妻は意外な行動に出ました。

私の携帯から友人や同僚のメールアドレスを自分の携帯に送り、そこから私が外で浮気していないか教えてほしいというメールを送信しました。
妻からのメールを受け取った友人から、あらためて私宛に連絡があり、そのことが分かりました。

私たちは口論になり、これ以上結婚生活を続けていくことは不可能という判断を下して、弁護士を挟んだ上で協議離婚となりました。

浮気が発覚して、離婚までの期間はわずか半年ほどだったと思います。

浮気自体が直接離婚の原因になったわけではありませんが、お互いの心が離れるきっかけになったのは間違いないと思います。
一度、離れてしまった心は、取り戻せないということを、実感しました。