私は飲食店でアルバイトをしています。
そのお店は大好きなのでもう2年勤めています。
ほかに接客業でまた違うことをしてみたいと思い、上野にあるスナックの仕事に応募してみました。
いわゆる水商売ですね。
面接に行ってみるとお店はそこまで大きくなく、ママも40才ぐらいと若くてとても優しい方でした。
お酒が大好きな私とママさんは話が合い、気に入ってもらえたみたいでその場ですぐに採用になりました。
(注)この記事は当サイトにお寄せいただいた体験談を一部編集してご紹介しています。
常連客のKさん
そして初出勤の日。
緊張でいっぱいでしたが華やかな衣装と少し派手な化粧をして仕事に挑みました。
先輩について常連のお客様を紹介してもらいました。
どのお客様も私が初日ということもあり、気を使ってくださりとても話しやすかったです。
その中である常連の方で、Kさんの席につくことになりました。
Kさんは某有名企業のお偉い様だそうです。見た目は50代ぐらいで高そうなスーツを着て、とても落ち着いた大人な方でした。
私が次に出勤すると、またKさんが来ていました。
Kさんは、なぜか私のことを気に入ってくれたみたいです。
それから、私の出勤する日に合わせて週二回ぐらいは来店してくれるようになりました。
Kさんは、私の出勤前に一緒に食事をしたり、仕事終わりにお寿司を食べに連れて行ってくれたりと可愛がってもくれました。
大人な方と言っても私の父と同じ年ぐらいです。
Kさんとの会話は同年代とする内容ではないですし、それまで経験のなかった紳士的な扱いをしてくれる。
気分はまさに映画の「プリティ・ウーマン」のヒロインのようで、舞い上がってしまいました。
彼の左薬指には光る指輪もついていましたし、何も手を出してこないKさんに対して私はどこか安心して、二人の時間を楽しんでいました。
突然のキス
その日も仕事帰りにKさんと食事をして、いつも通りタクシーで一緒にうちまで送ってもらっている途中で、彼からいきなり手を繋がれました。
少し驚きましたが、手ぐらいならと思い気にせず甘えていると、そのままタクシーの中で激しいキスをされました。
「今まで我慢していたけど、こうやって隠れて付き合ってくれないかな?」
「奥さんとは娘もいるし離婚はできないけど、君といると心から癒されるから一緒に居たいんだ」
彼が一息にそう話し終わったちょうどその時、タクシーが私の家の前に止まりました。
彼は「もっと話がしたい」と言い私の部屋に・・・。
彼が言うには、奥さんとはもう長い付き合いでお互いが空気のような存在。
別れることはできないけど新鮮さが欲しいと言っていました。
私は「奥さんを悲しませたくないし、Kさんに浮気をさせたくないです。」と彼にハッキリ言いました。
Kさんは納得をしてくれましたが「じゃあ1回だけで良いから夜を一緒に過ごしたい」と粘られて、ついにその日は泊まっていくことになりました。
次の朝、彼は満足した顔で「本当にありがとう」と笑みを浮かべて帰っていきました。
私は浮気、特に不倫が嫌いでしたので、奥さんに悪いことをしてしまったと後悔をしました。
しかし、Kさんのあの顔を思い出すと、これ以上の関係を持たなければ大丈夫なのかな?とも思いました。
あれ以来、Kさんはお店に来る回数が減りました。
私も今はお店を辞めてしまったので、彼が今も通っているかどうかは分かりません。