彼の浮気で与えられた、神様からのご褒美とは?

今から約10年前、当時19才だった私は初めて付き合った大好きな彼がおりました。
4つ年上の彼はおしゃべりが上手で、おしゃれなスーツを着て活躍する営業マン。
当時の私はその彼を大人の男性だと感じていました。

彼の口車に乗るように付き合い始め、半年が経過した頃です。
半同棲生活をしていた私たちでしたが、会社の異動により隣の市に転勤になった彼は実家に戻ってしまいました。
彼が転勤になった後も、私たちは週末にデートを重ね、少しの寂しさはあったものの、変わりなく幸せな日々を過ごしていました。
そして付き合い始めから1年が経った頃、彼が転職をしました。

転職先の同僚と浮気する彼

彼の転職先は窓口業務の会社で、社員の半数以上が女性の職場でした。
彼が私を好きだという気持ちに変わりはなく、変な自信があったため、なにも不安はありませんでした。
でも転職して数カ月が経過した頃から、私と会っている時にも彼が携帯を触っている時間が増えました。
彼の携帯にメールが届く回数も増え、そのうちメールが届いても私が気づかないように着信音を消しているようになりました。
色々な疑惑が増え、その疑惑が膨れ上がり、どんどん不安が増すばかりの日々。
でも彼は常に携帯を持ち歩く人だったので、なかなか携帯を見るという事も出来ない状態でした。
そんなある日、彼は数カ月前に機種変更をした過去の携帯を部屋に置いて少し出かけた事がありました。
あまりの不安な状況に、悪い事と分かっていたにも関わらず、躊躇なくその置き忘れた携帯に手をかけてしまいました。
すると、そこには目を疑うメールの数々が残されていたのです。

ある女性との不貞行為を匂わせるメールに続き、毎日夜の着歴、二人で出かけた時に撮ったであろう画像たち。
もう気が狂いそうでした。
その女性とは、転職先にいた私と同い年の同僚だったのです。
あの時、転職していなければ…
もっともっと一緒にいる時間があれば…
後悔が頭を駆け巡り、その携帯を握りしめ、私は彼の職場に向かいました。

彼の休憩時間、彼に全て知ってしまった事を告げました。
彼は動揺し、目や顔を真っ赤にして、別れないでくれと私に懇願しました。
そんな彼の姿を見て、浮気相手に勝ったという高揚感から、別れようとは考えもしませんでした。
浮気した彼を許してしまいました、たぶん感覚が麻痺していたのだと思います。
正直に告白すると、彼への愛が憎しみに変わった時期もありました。
しかし、私が簡単に別れたら浮気相手の思う壺だと思い、復讐心もあり交際を継続しました。
平日の夜も、なるべく彼と一緒にいるようにしました。
浮気相手に「所詮、あなたは浮気対象の女なのよ」と言わんばかりに、公に一緒に居れる事を見せつけていました。
彼の気持ちを100パーセント自分に向けようと、全てを彼に合わせ、全てを受け入れ、顔では笑っていても心は耐える事ばかりでした。
でもそんな修行のような日々が報われてか、その後 彼は会社を退職し、その浮気相手とも疎遠になり、少々の不安があったものの交際も順調に数年を経過しました。

浮気な彼のその後は・・・

そんな浮気男だった彼ですが、現在では私の夫です。
子宝にも恵まれ、その当時の事が嘘のように幸せです。
ですが浮気がきっかけで、全ての勘が鋭くなってしまった妻に、夫は少々生き辛さも感じているようです。
昔の面影はなく、スーツのサイズも3サイズ大きくなり、世の女性たちは太り続ける夫を誰も相手にしません。
いま思えば、そんなにしがみ付くほどの男性でもなかったかと落胆する事もある程、ガッカリする姿も沢山見せてくれます。
ですが、当時もし浮気が原因で私が別れを選んでいたとしたら、今の子供たちは存在していません。
私の場合は、辛い思いをしたからこそ出会えた神様からの最高のご褒美です。